昨日、大阪市立大学創造都市研究科によって開催されたシンポジウム「製造業とデザインの新しい関係-都市集積の可能性-」を聞きに行きました。

内容としては、業種の垣根を越えて企業同士が出会うことで、新しい価値創造を行っていきましょう、という点がテーマで、その中でも、技術の使い道に悩む大阪の製造業と、デザイナーとの相互協力というところが焦点でした。

パネラーとして参加されていた企業さんはどこもユニークで、お話もとてもおもしろく、特にgrafの服部さんは時間が短い中でオーディエンスの興味を引き付ける、的を絞ったお話で、プレゼンテーションの巧みさには驚かされました。

パネルディスカッションでは、各企業の代表の方が実例を交えながら共同作業のおもしろさや可能性をお話されていましたが、その中でも特に異業種間でのコミュニケーションの壁についてのお話が興味深いと感じました。堂業種内では暗黙知とされている言語やプロセスが、いったんその業種を越えてしまうとルールが通用しなくなってしまい、そのことが障害になってしまう、と。

最近はWeb制作の現場でも重要視される「コミュニケーション能力」。
面接時にもよく出る質問です。「コミュニケーション能力はありますか」って。クライアントさんのご要望をお聞きして、エンドユーザーも想定しながらモノやサービスを作り出すには、コミュニケーションの中からアイデアやヒントを見つけ出し、コミュニケーションの中で解決策を探していくことが、供給が需要を上回っている現在では重要です。作ったものが黙っていて売れるようなことはもう稀でしょう。

パネルディスカッションの中では、「目的を共有すること」というのが、ひとつの解決策として示されていました。そこでひとつ思ったことは、企業間同士で目的を共有する前に、まず企業内で目的を共有することが大前提だなぁと。何のためにこのプロジェクトが存在するのか、企業としてのそのプロジェクトへの参加意義は何なのかを担当者が理解していないと、共有どころかぶつける意見さえ出てこなくなっちゃいます。そういう意味では、同じ組織内でのコミュニケーション能力も重要です。

クリエイターは、作ったものを認めてもらわないといけません。価値を説明できないといけません。そのためのコミュニケーションで、その一歩はまず同じ組織内からだと思いました、とさ。